よく、ピアノを習っているのに楽譜がよめない、というお悩みをききます。
小さい頃からピアノを習い始めると、耳の方が育ってしまうため、耳コピの方が得意になってしまい、楽譜を読むのが億劫になってしまうことが、大きな原因の1つです。
逆に、大人からピアノを始める方は、楽譜から入る、耳ではなく目からの情報を頼りに弾く方がほとんどです。
大人にとっては、規則さえ覚えれば、音符を数えて読むことが可能ですし、自分が弾けるレベルに合わせて、少しずつ音域が広がるので、だんだん見慣れて、音符を覚えていく方が多いです。
そんな、大人にとっては、なんてことはない五線譜も、小さなお子様にとっては、
- 5線の何本目に音符があるのかが理解できない(ト音記号のミとソが同じだと思っている、同じに見えているのかも?!)
- 左から右に、順番に読むことが難しい(楽譜の音符を順番に指差ししてあげないと、どこを弾いているのかわからなくなったり、飛ばしたり、、、)
と、大変に理解力を要するようです。
ですので、小さい頃からあまり苦労することなく読譜の早い子は、もともと地頭のよい子です。
ピアノは、楽譜を理解する知識、それを伝達して指を動かす末端神経の運動神経、両手で弾くには器用さも必要となりますし、総合的な能力が必要となります。
逆に大人の場合は、楽譜は理解していても、思うように指が動かない、運動神経がついていかないことの方が多く、子供と正反対のことが悩みだったりもします。
では、耳コピに頼って、楽譜が読めないまま放置しておいてもよいかというと、それは後々困ることになるので、絶対に読めるようになった方がいいです。
幼児期は仕方ないとしても、小学生になれば理解力が大幅に上がりますので、小学生になったら、自分の弾いている曲のレベルと、読譜のレベルを統一させたいものですね。
それにはまず、毎日、楽譜を見て弾くことです。
英語の勉強と一緒で、人間、自分にとって必要のないことは、覚えないように出来ていますから、毎日は難しくても、平日は夕食の前後に練習するなど、必ず行う日課とセットにして、ピアノの練習を習慣化しましょう!
また当教室には、ヤマハグループレッスンから移って来る子も多いのですが、ヤマハでは完全に耳から入るので、楽譜をみながら弾く、という動作は、慣れるまで大変なようです。
楽譜を見ながら弾く、という動作を行うには、楽譜を理解することの他に、手元を見ないで感覚で弾く、ブラインドタッチができなければいけません。
手元を見ていないと音を外してしまうようでは、楽譜を見ながら弾くことは不可能なので、ブラインドタッチができるように、訓練していきます。
このように、ピアノを弾くには、様々な能力が必要となり、その結果、脳が刺激され、脳によいとされるのですね。